住まいづくり情報ガイドブック
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096  第9章 住まいのお手入れむね包み板ふき板かわら棒心木アスファルトルーフィング(防水紙)野地板たる木1-11-21-31-42-12-22-32-42-52-62-73-13-23-34-14-24-35-15-25-35-45-55-65-76-16-27-18-19-19-29-310ます。亜鉛だけのメッキに比べ耐久性に優れていますが、太陽の紫外線や酸性雨、排気ガスなど、自然環境の厳しい屋根面では、定期的なメンテが必要となります。初回は10年程度で塗り替え、その後は5年に1回程度の塗り替えが必要となります。表面の塗装が白っぽくなったら、すでに塗り替えの時期にきていると考えられます。 また、屋根にゴミや落葉が溜まった状態で長期間放置すると、水はけが悪くなって雨漏れや錆の原因となりますので注意しましょう。4.雨どい 雨どいは屋根からの雨水を軒どいで受け、たてどいに集めて流すという機能を維持することが基本となります。雨どいの材料には、プラスチック製のものや金属製のもの等があります。 雨どいは一箇所が詰まるとあふれた雨水が滝のように流れ、外壁を濡らしたり、泥をはねかえし、建物を汚損します。雨どいにたまったゴミ、落葉、ほこりなどは日常気がついたときに取り除くようにするとともに、年に2~3回定期的に掃除しましょう。また、台風の前後にも点検、掃除しましょう。 雨どいは強い風雨あるいは雪のために、集水器とといがはずれたり、破損する場合があります。はずれ、ひびなどの軽微なものは市販の補修材で簡単に補修できますが、それ以外の補修はなるべく、専門の業者に依頼しましょう。 年数が経つとともに、とい受け金物がゆるんだりはずれたりすることがあります。板張り壁などの木部では、木工用パテを穴に詰め金具を固定します。モルタル壁では、下地木部に固定した後に表層のモルタルとの隙間にシーリング材を充填します。5.軒裏・破風板・鼻かくし 軒裏は屋根下流に位置しているため、屋根に起こる不具合が集約される箇所となります。また、破風板、鼻かくしは軒どいなどと一緒になって軒先を構成する部分です。屋根の機能を十分に果たすためには、いずれの部分も点検をおろそかにできません。 軒裏にしみができていないか点検しましょう。原因としては屋根での雨漏りが下に流れて現れるものと、軒先の局部的な雨漏りが考えられます。木部が腐朽しないうちに補修しましょう。 鼻かくしは、雨などで軒どいがあふれたり、集水器の水はねが頻繁に起こると腐りやすくなります。軒どいの清掃と併せて点検しましょう。 破風板、鼻かくしの部分的なはがれは、釘打ちして押さえ、コーキング材を充填することで補修できます。ただし、2階部分などの高所の作業は危険をともないますので専門の業者に依頼しましょう。6.雨漏りの点検と補修 雨漏りは不愉快なものであり、住まいにとっても最も始末の悪い現象です。 雨漏りの現象は、屋内の天井部分から水滴として現れるもの、じわじわとしみ出してくるもの、これら目に見える現象ではなくポタポタ音だけするものなど一様ではありません。また、断熱材に雨水が吸い込まれ、少々雨漏りしても水滴もしみも見えないということがあります。 長年の雨漏りに気づかないで、いつの間にか土台などの木部が腐朽していたということにならないよう、屋根裏から床下まで定期に広範囲な点検を行うことが必要です。 雨漏りが始まったらすぐに補修したいものですが、雨中の工事は困難であり、確実さを期待できません。家財を雨中から守り、専門の業者に連絡して、雨があがったらすぐに補修してもらいましょう。 風をともなう場合には、その方向を記録しておきましょう。雨漏り箇所を探すのに役立ちます。

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