住まいづくり情報ガイドブック
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第1章 不動産(土地、分譲住宅、マンションなど)を購入する  0071-11-21-31-42-12-22-32-42-52-62-73-13-23-34-14-24-35-15-25-35-45-55-65-76-16-27-18-19-19-29-310 ⃝民法では当事者が特にどの手付けとすると決めなかったときは「解約手付」の性質を有するとしています。 ⃝宅地建物取引業法では、売主が宅地建物取引業者であるときは、手付金はすべて「解約手付」の性質を有すると決められており、またその額は物件価額の2割以下と定めています。3.内  金 手付金とまぎらわしいものに「内金」があります。中間金とも呼ばれ、手付金の支払い後、残金の最終支払までの間に支払われるものです。 ➡ 内金として支払われたときは、代金の一部前払いにすぎず手付金とは異なります。つまり、内金は売買代金の一部であり、手付金のように「手付金流し」や「手付金倍返し」で契約を解除できる法律的な意味をもっているわけではありません。4.手付金等の保全措置 マンションや建売住宅等の不動産を購入する場合に、買主は物件を引渡される前に手付金や内金として代金の一部を支払うのが一般的です。そこで、もし分譲業者が倒産したら、買主は物件の引渡しを受けられなくなるうえに、支払い済みの代金も取戻せず、思わぬ損害を受けることになります。 このような損害を防止するため、宅地建物取引業法では、宅地建物取引業者が売主の場合、手付金等の保全措置を講じることを義務づけています。すなわち、買主が売買代金の10%(造成工事や建築工事が未完成の、いわゆる「青田売り」の場合は5%)、または1000万円を越える手付金等を支払う場合は、銀行や保険会社等の保証機関が発行した保証書と引き替えにすることになっています。 宅地建物取引業者がこの措置を講じないときは、買主は手付金の支払いを拒むことができます。この手付金等には、契約日以降物件引渡し前までに支払う手付金のほか、内金(中間金)が含まれます。なお、手付金等の額が上記の金額以下の場合や、買主への所有権移転登記が済んでいる場合は、保全措置の対象になりません。解約手付の解説 契約にあたって、買主から売主に対して手付金を支払うと、売主または買主は、その相手方が契約の履行に着手するまでの間であれば、手付金の放棄(買主)または手付金の倍返し(売主)により、いつでも契約を解除することができます。なお、手付金は、契約の履行に着手したときには、売買代金に充当されます。また、契約の履行に着手してからは、手付金放棄による契約の解除が出来なくなります。手付金か内金かの見分け方 普通はそれを授受した当事者の意志で区別することになりますが、「手付金」と言ったかあるいは「内金」と言ったかが一応の基準となります。しかし、本来はこういう名称だけで決まるものではなく、内金といっても事情によっては、手付金と認められる場合もあります。いずれにしても、手付金か内金か、また解除権があるかどうかは、これを授受するときに「はっきり」させておくことが大切です。なお、買主が手付金以外に内金を支払ったとき、売主は手付解除ができなくなる可能性があります。

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