住まいづくり情報ガイドブック
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088  第9章 住まいのお手入れ1-11-21-31-42-12-22-32-42-52-62-73-13-23-34-14-24-35-15-25-35-45-55-65-76-16-27-18-19-19-29-310 木造住宅における木部の腐朽やしろありによる被害の総額は、全体で見ると火災によるそれを越えると言われています。1)腐朽菌 木材を腐らせる菌の種類は多数ありますが、木材を完全に破壊し、建物の強度低下の原因となるものは、木材腐朽菌と呼ばれるキノコの類です。被害を受けやすいところは、主に次のような場所です。湿度80%以上、温度10℃以上で発育を始めます。各部分の水分の多少が木材の腐朽のポイントになりますので、重点的に点検しましょう。 木材が腐朽すると、菌によって分解された成分のなかに、しろありを誘引する物質が含まれる場合が多いため、木材が腐朽している部分はしろありの被害を受ける可能性が極めて高くなります。木部の腐朽の点検や補修は専門の業者に依頼します。1.浴室、台所、洗面所などの水まわり これら水を使う場所は湿気が多くなる上、配置上も北側が多くじめじめした環境に置かれやすいため、最も危険な個所となります。特に浴室などの水がかりの木部に注意しましょう。2.土 台 土台は木を使用した構造躯体のうち、最も地盤面に近い部材であるため、腐朽しやすい箇所です。通常、建設時に注入剤や防腐剤等による防腐措置などが講じられていますが、定期的に点検し、10~15年経過した時点で再び防腐措置を講じることが必要になります。3.雨どい付近、植木が近接する雨がかり 雨どいからあふれた雨水や、破損箇所からの漏水により腐朽の危険があります。また、植木や玄関たたきの付近などは、雨水のはねかえりが予想されるために注意しましょう。4.モルタル下地 亀裂部分からの雨水浸入により、下地板が腐朽するおそれがあります。5.雨漏り 雨漏りが起こると、天井から床下まで全ての部材が危険になります。屋根以外にも開口部周辺から起こることがありますので十分注意しましょう。6.その他、結露水、設備の漏水の生じる箇所 開口部周辺など結露が起こる部分は水分を含みやすくなります。これ以外にも、外壁の内部など外から見えない部分に結露することもありますので注意しましょう。9-1住まいを長持ちさせるために

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