住まいづくり情報ガイドブック
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090  第9章 住まいのお手入れ1-11-21-31-42-12-22-32-42-52-62-73-13-23-34-14-24-35-15-25-35-45-55-65-76-16-27-18-19-19-29-310   押入れ、収納などの内部は結露しやすいので頻繁に戸を開けて換気しましょう。また、乾燥剤や除湿器などにより湿気を取ると共に、ふとんなどで内部の空気が滞留しやすいので、すのこを下に敷くなどの工夫をして空気の循環をよくしましょう。  浴室は、一年を通して多量の水蒸気が発生する所です。入浴の後は窓を開けるか、換気扇を回し、換気に心掛けましょう。また、常時入り口の窓を閉めておくことを徹底し、住宅内に湿気をもらさないよう注意することが必要です。2.内部結露の防止 室内の壁表面に発生する表面結露に対して、外壁などの内部に発生する結露を内部結露といいます。内部結露は、室内の水蒸気を含んだ空気が壁体内に進入し、外に抜けることができずに断熱材内部に滞留したものが、外気により冷やされることにより発生します。 一般には、内壁下地材と断熱材の間に防湿層を設け、壁体内への水蒸気の進入を防止するよう計画されていますが、施工上これを完全に防止することは難しいといわれています。 例えば、外壁の仕上げが金属板張り(断熱材を裏打ちしたサイディングを除く)の場合は、仕上材自体が冷気を伝えやすいため、またモルタル塗りの場合は、壁体内に進入した水蒸気が抜けにくいため、3)結  露 氷水を入れたグラスの表面にはやがて水滴がついてくることはご存じでしょう。この現象を結露といい、空気中に含まれている水蒸気が冷たい材質に凝結することにより生じます。これと同じことが住まいでも起こります。 近年は、住宅の気密化や高断熱化により、発生した水分が湿度となり室内にこもりやすくなっています。湿気は窓などの開口部や壁面等の仕上材だけでなく、壁の内部や床下など見えない部分にも侵入し、住宅の老朽化の原因のひとつにもなります。また、放っておくとカビが生え、アレルギー症状等の原因となる場合もあります。 結露を防止するためには、建物の断熱構造化を行うことだけでなく、日常における住まい方の工夫が重要となります。1.表面結露の防止 一般には、結露防止のポイントとして次のような点があげられます。 ⃝水蒸気の発生を極力抑える ⃝暖房する部屋と他の部分との温度差を小さくする ⃝部屋の通風・換気を良くするア)居  室 換気を心懸けている居室であっても、調理等により発生した水蒸気により結露しやすい場所になります。 特に、室内で洗濯物を干すと1日あたり約2.5L以上の水蒸気が発生しているともいわれ、除湿器をつけたり、夏場はエアコンによる除湿を行うとよいでしょう。 また、暖房時は同じ建物内にあっても、一部屋だけを極端に暖め過ぎると、暖房をしている部屋と暖房をしていない隣の部屋との温度差が大きくなり、内部建具、間仕切り壁面に結露が生じます。隣接する2部屋間の温度差は極力小さくするよう努めましょう。イ)押入れ、収納ウ)浴  室

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